DS版パワポケには2つの乱数器が存在しており、この2つの乱数器を稼働させることによってランダム要素を確定しているらしいです。
パワポケ乱数の先駆者であられるσ軸様の動画の中でこの2つは、”大きい乱数器”, ”小さい乱数器”と区別しされていますが、前者はオート命名によって、後者はサウンドによって動かすことができることを明らかにされています。
この2つの乱数器のうち、大きい乱数器による乱数消費は実機プレイによってもオート命名を使うことによって再現可能ですが、小さい乱数器はフレーム単位での調整が必要とされるため、実機プレイでの再現はほぼ不可能とされています。
しかし、この度パワポケ11に関しては、小さい乱数器を実機によっても調整可能な方法を見つけ出すことができました。この方法は、まだサクセスに対して実用化するに至っておりませんが、ひとまず紹介させていただきたいと思います。
メニュー選択画面の球場の選択方法について
この方法に気づいたきっかけは、乱数調整による育成時に「つづきから」の画面を押した後あやまって戻った際にランダムイベントが変わっていた、というところです。
小さな乱数器はサクセスの中でも、特にランダムイベントの決定の際に稼働することがσ軸様の動画の中でも報告されています。
すなわち、この行為を行ったことにより小さな乱数が消費されたのではないか?という疑問が生まれたのが、実機における小さな乱数の消費方法に気が付いたきっかけです。
しかし、疑問に思った当初は何を決定するために乱数が消費されたのか?という部分は、全く見当がつきませんでした。なんでだろうなぁー、と何回か「つづきから」→戻るの選択を繰り返していると、メニュー選択画面の球場が頻繁に変わっていることに気が付きました。
そこで、パワポケ乱数の先駆者様の一人であるiid01様が作成されました、pythonによる内部乱数器の観測プログラムを参考にある仮設を立て実験を行いました(定数を一部変更してしようさせていただきました)。
その仮説とは、
”8パターンある球場の選び方は、小さい乱数器を動かすことによって発生する乱数に依存する”
というものです。
その結果、方法の詳細は省略させていただきますが、私の仮説通りメニュー選択画面の球場は小さい乱数によって決定され、かつ発生する乱数(0以上1未満)によって以下の法則が成り立つ可能性が浮かび上がりました。
- 0 ~ 0.125:土A球場
- 0.125 ~ 0.250:人工芝球場
- 0.250 ~ 0.375:天然芝球場
- 0.375 ~ 0.500:地方球場
- 0.500 ~ 0.675:ドームA球場
- 0.675 ~ 0.750:ドームB球場
- 0.750 ~ 0.875:ナマーズ球場
- 0.875 ~ 1.00:土B球場
ちなみに、DS本体の時刻設定を「00:00:11」にして起動し、何かしらのメニューを選択して戻った際に小さな乱数が1ずつ消費され、
「地方球場(初回)」→「ドームA球場」→「ドームA球場」→「地方球場」→「土A球場」・・・
の順に選択されるこのが確認できました(内部乱数観測プログラムの結果と一致していたことからの判断です)。
最後に
今回の実験によって、パワポケ11に関してはメニュー選択画面に現れる球場を決定する際に小さい乱数が使用(1消費)される可能性が明らかとなりました。
しかし、現時点では小さな乱数の消費方法が発見できただけであり、サクセスでの実用までには至っていません。
以前に紹介させていただいた浜野朱里オールAチャートにも一部この方法を使用していましたが、発生したランダムイベントは全く偶然の発見です(どういうメカニズムでランダムイベントが選択されているか全然わかりません…)。
しかし、この発見はパワポケ乱数解析にとっての大きな一歩だと思います。
今後はこの発見を軸に、パワポケ11屈指のランダムイベントである自転車少女の乱数を探索していくつもりです。